お子さんが産まれて、お宮参りの時に産着を購入使用した、家に代々大切にしてきた産着がある、お宮参りの時に使ってそのまま大切に産着を保管しているという方も多いのではないでしょうか？なかには産着はお宮参りの時にしか着せてあげることができないと残念に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか？

実は、産着は七五三の時に着物として着用することができます。ただ、お宮参りの時には、着付けて使用するわけではないため、完全な着物の形はしていません。

七五三で着物として着用するためには仕立て直しが必要となってきます。ここでは、産着を七五三の時に使うための事前に知っておきたい仕立て直しのポイントや準備をお伝えします。

産着は七五三の着物として何歳まで使用できる？

・そもそも産着は何歳まで着れる？

多くの産着は『一つ身』といわれる着物で作られていて、0〜２歳ぐらいの幼児の着物ですので、７歳の七五三の時には、サイズ的に着用することができません。どうしても７歳の時まで着物として使用したいと考えている時は、産着を最初から『四つ身』と呼ばれる着物で仕立てる必要があります。一つ身が着れる年齢の目安としては、５歳がギリギリといわれています。

・３歳の場合

３歳の女の子・男の子の場合は、産着が手元にあるという方は、仕立て直すことによって問題なく七五三の着物として着用することができます。ただし、３歳の場合は最近では多くの方が被布を着物の上から着てしまうため、せっかく仕立て直しをしてもあまり着物が見えないという少し残念ということもあります。そして、着物に合わせた被布や小物を忘れずに用意しておくことも忘れずに。

・５歳男の子の場合

５歳の男の子の場合は、数え年での七五三つまり４歳の場合には、着ることができる可能性が高くなります。

最近は成長の早いお子さんも多いため、満年齢が５歳の場合に、一つ身の産着を仕立て直して着用するのには、身幅や裄丈の問題で難しい場合もありますので、専門家に相談することがおすすめです。

また、産着は持っているけど、袴がないという方が多いかと思いますので産着に合わせて、着用するのに必要な小物一式を準備する必要があります。

産着を七五三の時の着物として仕立て直すには

お宮参りの時に使用した産着を七五三の時に着用するためには、いくつかの加工(仕立て直し)が必要となってきます。産着を七五三の時に着ることができる、子供用の着物に作り替えるために必要なことをお伝えします。

仕立て直しとは、産着(着物)として縫われている部分をほどいて、別の形に整えることを意味しています。そもそも産着は正しい着物の形をしてるわけではないため、いくつかのお直しが必要となってきます。

・袖口を作る

まず、袖について。産着の袖口は広袖といって袖の下まで開いた状態のため、袖を縫い合わせる必要があります。開いている袖を、袖口を開けるように縫い、袖の下が丸くなるよう縫っておきましょう。

・着物と襦袢についている紐をとって、それぞれ付け直す

産着の着物と襦袢には、どちらも胸元に紐がついています。紐をとり、元の位置から少し下げて、女の子は帯や被布から見えない位置、男の子は袴や被布を着た時に見えない位置に縫い直しておきましょう。

・襦袢に半衿をつける

産着の時に使用する襦袢には半衿がついていないため、つける必要があります。男の子の場合は白の半衿を、女の子の場合は刺繍が入ったものやカラフルな色合いの半衿もありますので、着物とコーディネートして、より華やかに着物を着ることができます。

・肩上げ・腰上げをする

着物が大きいときに、肩と腰の部分でサイズの調整をするためにあらかじめ縫っておくことを、肩上げと腰上げといいます。最初から短く仕立てたらいいということではなく、あえて長く作っておいて、縫い上げをすることで、『これからもっと成長しますように』という願いが込められています。

産着を七五三の着物として使用するときの注意点

仕立て直しを考えるとあまり知らないことが多くあるかと思います。仕立て直してくれるお店を探したり、自分で仕立て直す方法を調べたりする必要があるため、お参りや撮影をしようと思っている時期より２〜３ヶ月前には、検討し始めたほうが良いでしょう。お願いしたいお店を探す場合、実際の費用やかかる期間などを調べる必要があるため、早めにリサーチしておくことがおすすめです。

実際にお宮参りの産着を仕立て直したい場合、どうすればいいのかと悩む方もいらしゃるのではないでしょうか。いくつかのお直しポイントに注意して、自分でお直しもできないことではありません。

ただ、和裁は洋裁と違って手縫いが基本のため、初めて挑戦するには難易度が高く、時間がかかるため、少しても不安がある方は専門の方にお願いするほうが安心です。

・納期に注意

七五三直前の繁忙期にはお店にも依頼が多くなっている可能性があるため１ヶ月ほどの余裕を持って依頼するほうが安心です。使用したい日の直前に仕立て直しに出してしまうと、希望日までに仕上がらない！なんてことも。

それなら、もっと早くにお願いしておこうと半年以上前に仕立て直してしまうと、その間にお子さんが成長して実際に着るときのサイズと合わなかったなんでことにもなりかねません。そのため仕立て直しに出すタイミング、サイズを測る時期には注意が必要です。

・着物以外に必要な小物も準備する

産着を七五三の着物として着る場合には、着物以外にも必要なものがあります。

３歳の女の子なら、着物・襦袢の他に、被布・草履・足袋・髪飾り・巾着・腰紐などが必要となります。

被布ではなく帯を使用する場合はまた違った小物が必要となってきますので、しっかり確認しておきましょう。

５歳の男の子の場合は、着物に袴を合わせることになるため、袴・角帯・草履・足袋・懐剣・末広・腰紐などが必要となってきます。

お子さんの成長とともに、お宮参りから七五三と同じ着物を大切に着てもらうことは、とても素敵な記念になることだと思います。しっかりと必要なものを準備して、大切なお祝いの日を迎えてくださいね。

まとめ