七五三着物の柄が持つ意味をご紹介-女の子編-
七五三前回、男の子の着物の柄をご紹介しました。
では、女の子の着物にはどんな柄があるのでしょうか?
どんな着物にしようか悩んだ時の参考になれば幸いです。
七五三着物に込められた意味-1-
七五三の着物選びに迷った時、重要視されるのは色と柄。
着物にも普段着やおでかけの際に着るカジュアル着物、冠婚葬祭などの場で着るフォーマル着物の3種類があります。
七五三の着物はフォーマルで格式の高い着物に含まれます。
お子さんの記念ですから、もちろん縁起の良い柄が好まれています。
・花 -美しく愛される子に育ってほしい-
女の子の七五三柄で、定番と言っていいのが《花》の柄で、「花のように美しく愛されるよう育って欲しい」という意味があります。
一言で花柄と言っても《桜》は五穀豊穣を意味し、《梅》は生命力、《牡丹》は高貴、《橘》は子孫繁栄と一つ一つに意味が存在します。
花柄は一種類とは限らず、花束や花丸など数種類の花を組み合わせた柄が描かれている事が多いです。
・蝶 -健やかに美しく成長してほしい-
美しい姿に成長する《蝶》の柄には、「長寿・不死・立身出世」と言う意味があります。
天高く飛び立つ蝶の柄は縁起が良いとされ武士にも好まれ、見た目や生態の変形を繰り返す様は不死不滅を表すとも言われ宮参りの着物にも使用されています。
描かれている事の多い蝶の柄ですが、脇役のように着物の所々に描かれている事が多いです。
・松竹梅 -忍耐力と強さ、気高さを持ってほしい-
真冬でも葉をつける《松》一年中色褪せずに葉をつける《竹》寒中を耐え一早く花咲く《梅》の3つを組み合わせた柄には、「忍耐と強い生命力、気高き美しさ」という意味があります。
ちなみに「松竹梅」は位が①松②竹③梅の様に思われていますが、本来はどれも同じレベルで縁起の良いものとされています。
七五三着物に込められた意味-2-
続けて、他にも人気のある柄をご紹介します。
・手毬 -平穏無事に何事も丸く治りますように-
貴族の遊びだった《鞠》の柄には、その形状が由来して「手鞠のようにまるまる育ってほしい、何事も丸くおさまってほしい」と言う意味があります。
また、子供の遊び道具として子どものそばにある事から、子どもが寂しい思いをしないように「お守りの代わり」と言う意味も込められています。
・束ね熨斗 -人との縁に恵まれ幸せになってほしい-
ご祝儀袋に描かれている《熨斗》の柄には、「人と人とを繋ぐ縁・絆に恵まれる」と言う意味があります。
特に、熨斗を複数重ねた《束ね熨斗》は特に縁起が良いとされ好まれています。
お祝いの場で使う熨斗柄や束ね熨斗柄は、特に縁起の良いとされ、吉祥模様の代表柄とも言われています。
・扇 -将来の発展と繁栄を願う-
末広がりの《扇》の柄は、「富と発展、子孫繁栄」と言う意味があります。
初夢に現れる扇は縁起物とされており、描かれている扇の紙面には華やかな柄が美しく描かれています。
また、《扇の要》の扇子の根元にある軸を「物事の大事な部分」と言う意味があるように、扇柄には「要」となるような人になってほしいと言う意味も含まれています。
地紋にも意味が隠されている
・紗綾形(さやがた)柄
《卍》を変形させた形を連続させた柄で、男女関係なく絹織物に多く使用されている模様です。
「家の繁栄や長寿が続くこと、不断長久(ふだんちょうきゅう)」を意味しています。
また、見る角度や光加減で柄が浮かび上がっているように見える柄が好まれていたようです。
沙綾形の上に蘭や菊を描いたものを「本紋」と呼び、桜を描いたものを「桜地紋」と言います。
・麻の葉(あさのは)柄
繰り返された幾何学模様が《麻の葉》に似ている事から名づけれたと言われています。
ぐんぐん育つ麻の葉にちなんで「魔除けと順調な成長」を意味しています。
女の子の着物柄の中でも特に人気の柄です。
・鹿の子(かのこ)柄
《鹿の子》は絞り染めで、神の使いと言われている子鹿の背中の白い斑点を表した柄です。
また、鹿の生命力や繁殖力から「子孫繁栄」の意味が込めれれています。
絞った状態で染め上げる手間のかかる手法で作られた為、贅沢品とされています。
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まとめ
七五三の着物の柄は、どれも大切な子どもが幸せでありますようにと言う、両親の心からの願いが込められています。
ママパパが想う願いはなんですか?
みんなに愛されてほしい、幸せになってほしい、縁に恵まれてほしいなど、七五三の着物柄に込められた意味や願いを知って大切な1着を選んでみて下さい。
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